「排尿障害、原因はさまざま」ーーー十善会病院 泌尿器科部長 小川 繁晴氏 (12月4日)
主に前立腺肥大症それと頻尿の方の過活動膀胱とそれに関連した夜間頻尿についてお話します。排尿障害の一つに蓄尿障害があります。排尿(トイレ)が気になると「生活の質(QOL:Quality of Life)」が非常に損なわれます。
男性と女性は骨盤の構造が異なり、女性は骨盤が非常に広く浅くできており加齢や妊娠出産の影響で骨盤を支える骨盤底筋群が緩むなど「骨盤臓器脱」により排尿障害も起こります。男性は生殖器である前立腺があり、これが肥大して前立腺肥大症また前立腺がんにもなります。主に排尿障害の原因は、前立腺肥大症で「尿が出にくい」という症状もさることながら「堪えきれない」とか「回数が多い」という症状も起こります。
尿が出にくいのは前立腺肥大症や神経疾患、特に脳卒中の後遺症や背骨の病気、神経が障害を慢性的に受けてくる顕性疾患、パーキンソン病などが影響します。蓄尿障害の原因も同様の病気が原因となります。
前立腺肥大症は60歳を中心に55歳から74歳までが多く、前立腺が大きくなり排尿のあとも尿が少し膀胱に残るような中等症以上の前立腺肥大症は約20人に1人ぐらいです。
頻尿の原因である過活動膀胱は、症状で診断をつけるため、別に原因が肥大症や背骨の病気、脳卒中の後遺症など何でも構わず、とにかくおしっこを堪えにくい、急に尿意を催すという様な症状があれば過活動膀胱と診断されます。
過活動膀胱の尿が堪えにくい症状に対しては「β3(ベータスリー)製剤」を出します。自律神経の交感神経で膀胱に選択的に効き、他のところへの作用が無く、尿を堪えやすくなる、漏れることが止まったり回数が減ったりということが期待できる薬です。
夜間頻尿は、夜間の排尿回数が2回以上起きると夜間頻尿となります。夜間頻尿の人は夜におしっこでトイレに行く際に転んでしまうことで非常に骨折をしやすいです。夜間2回以上起きる人と2回以下の人を比べると生存率が5%違います。
前立腺がんも最近非常に増えております。前立腺がんは高齢者にとても多く、遺伝の影響もあり親子兄弟に前立腺がんの患者がいると前立腺がんになる罹患する確率は2倍から5倍に跳ね上がります。また前立腺がんの患者さんが複数身内に居るとその人は前立腺がんに罹患すると思ってもいいぐらい非常に濃厚な遺伝関係ある病気となります。
